FX(外国為替証拠金取引)には、トレーダーのライフスタイルや性格に合わせて様々な取引スタイルが存在します。その中でも、数日から数週間にわたってポジションを保有し、比較的大きな利益を狙う「スイングトレード」は、日中忙しい会社員や主婦、そしてこれからFXを始める初心者にも適した手法として注目されています。
短期売買のスキャルピングやデイトレードほど頻繁にチャートを確認する必要がなく、ポジショントレードほど長期的な視点を求められない、バランスの取れたスタイルがスイングトレードの魅力です。
しかし、「具体的にどうやって始めたらいいの?」「どんな手法があるの?」「成功するためのコツは?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
この記事では、FXのスイングトレードについて、その基本的な仕組みから他のトレードスタイルとの違い、メリット・デメリット、具体的な始め方、そして実践的なおすすめ手法まで、網羅的に解説します。さらに、成功の確率を高めるためのコツや注意点、向いている人の特徴まで掘り下げていきます。
この記事を最後まで読めば、あなたもスイングトレードの全体像を理解し、自信を持って最初の一歩を踏み出せるようになるでしょう。
目次
FXのスイングトレードとは?
FXのスイングトレードとは、数日から数週間、場合によっては1ヶ月以上ポジションを保有し、為替レートの大きな「スイング(揺れ)」、つまり一方向への大きな波に乗って利益を狙う取引スタイルです。
日々の細かな価格変動に一喜一憂するのではなく、日足や週足といった比較的長い時間軸のチャートを分析し、相場の中期的なトレンドを捉えることを目的とします。例えば、上昇トレンドが発生したと判断すれば「買い」ポジションを持ち、トレンドが続く限り保有し続け、トレンドの終わりが見えた時点で決済して利益を確定させます。
このスタイルは、一度ポジションを持ったら頻繁にチャートをチェックする必要がないため、本業を持つ兼業トレーダーや、家事・育児で忙しい方でも取り組みやすいのが大きな特徴です。また、取引回数が少ない分、一つ一つのトレードにじっくりと時間をかけて分析し、戦略を練ることができます。そのため、FX初心者にとっても、慌てずに取引の基本を学びながら実践できる、おすすめのスタイルと言えます。
スイングトレードでは、主に日足チャートをメインに使い、4時間足や1時間足でエントリーや決済のタイミングを計るのが一般的です。テクニカル分析でトレンドの方向性や強さを判断しつつ、各国の金融政策や経済指標といったファンダメンタルズ分析も加味して、中期的な相場の流れを予測することが成功の鍵となります。
他のトレードスタイルとの違い
FXのトレードスタイルは、ポジションを保有する期間によって大きく4つに分類されます。スイングトレードの位置づけをより明確にするために、他のトレードスタイル(スキャルピング、デイトレード、ポジショントレード)との違いを比較してみましょう。
トレードスタイル | ポジション保有期間 | 狙う利益幅(pips) | 取引回数 | 主な分析手法 |
---|---|---|---|---|
スキャルピング | 数秒〜数分 | 数pips〜10pips | 非常に多い(1日数回〜数百回) | テクニカル分析(瞬間的な値動き) |
デイトレード | 数分〜1日以内 | 10pips〜100pips | 多い(1日数回) | テクニカル分析 |
スイングトレード | 数日〜数週間 | 50pips〜数百pips | 少ない(週に数回〜月に数回) | テクニカル分析+ファンダメンタルズ分析 |
ポジショントレード | 数週間〜数ヶ月以上 | 数百pips〜数千pips | 非常に少ない(年に数回) | ファンダメンタルズ分析+テクニカル分析 |
この表からもわかるように、スイングトレードはデイトレードとポジショントレードの中間に位置するスタイルです。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
スキャルピング
スキャルピングは、数秒から数分という極めて短い時間で売買を繰り返し、小さな利益をコツコツと積み重ねていく超短期売買スタイルです。英語の「Scalp(頭の皮を薄く剥ぐ)」が語源とされており、その名の通り、ごくわずかな値幅(数pips)を狙います。
1分足や5分足といった非常に短い時間軸のチャートを使用し、瞬間的な判断力と高い集中力が求められます。取引回数が圧倒的に多いため、利益を得るチャンスが多い反面、スプレッド(売値と買値の差)がコストとして重くのしかかります。そのため、スプレッドが極めて狭いFX会社を選ぶことが不可欠です。
スイングトレードとの最大の違いは、時間軸と取引頻度です。スイングトレードが「森」を見るように相場の大きな流れを捉えるのに対し、スキャルピングは「木」の葉一枚一枚の動きを捉えるようなイメージです。常にチャートに張り付いている必要があるため、専業トレーダーや取引に集中できる時間帯が確保できる人に向いています。
デイトレード
デイトレードは、その日のうちに取引を完結させ、翌日にポジションを持ち越さない取引スタイルです。ポジションの保有時間は数分から数時間程度で、スキャルピングよりは長く、スイングトレードよりは短いのが特徴です。
主に5分足、15分足、1時間足などのチャートを用いて、その日の相場の流れを分析し、1回の取引で10pipsから100pips程度の利益を狙います。寝ている間に相場が急変するリスクを避けられるため、精神的な負担が少ないと感じる人も多いスタイルです。
スイングトレードとの違いは、ポジションを翌日に持ち越すか否かという点です。デイトレードでは、その日のうちに必ず決済するため、週末のリスクや日をまたぐことによる価格変動リスクを気にする必要がありません。また、スワップポイントの影響もほとんど受けません。一方で、スイングトレードのように1回の取引で大きなトレンドに乗って数百pipsの利益を得ることは難しくなります。ある程度まとまった時間、チャートに向き合う必要があるため、日中に取引時間が取れる人に向いています。
ポジショントレード
ポジショントレードは、数週間から数ヶ月、場合によっては1年以上にわたってポジションを保有する超長期的な取引スタイルです。FXのトレードスタイルの中では最も保有期間が長く、為替相場の非常に大きな流れを捉えて、数百pipsから数千pipsという莫大な利益を狙います。
このスタイルでは、日々の細かな価格変動はほとんど無視し、週足や月足チャートを使って大局的なトレンドを判断します。分析の中心となるのは、各国の経済成長率、インフレ率、政策金利の動向といったファンダメンタルズ分析です。テクニカル分析は、あくまで長期的なトレンドを確認したり、エントリーのタイミングを補助的に判断したりするために使われます。
スイングトレードとの違いは、分析の主軸とポジションの保有期間です。スイングトレードがテクニカル分析とファンダメンタルズ分析をバランス良く用いるのに対し、ポジショントレードはファンダメンタルズ分析の比重が圧倒的に高くなります。また、ポジションを年単位で保有することもあるため、相当な忍耐力と、大きな価格変動に耐えられる潤沢な資金が必要です。金利差によるスワップポイントが損益に与える影響も非常に大きくなるため、通貨ペアの選択が極めて重要になります。
このように、各トレードスタイルにはそれぞれ特徴があり、求められるスキルや適したライフスタイルが異なります。スイングトレードは、これらのスタイルの中でも特にバランスが良く、多くの人にとって始めやすい手法であると言えるでしょう。
FXスイングトレードの3つのメリット
スイングトレードが多くのトレーダーに選ばれるのには、明確な理由があります。ここでは、スイングトレードが持つ3つの大きなメリットについて、詳しく解説していきます。
① 1回の取引で大きな利益を狙える
スイングトレードの最大の魅力は、1回の取引で大きな利益(値幅)を狙える点にあります。数日から数週間にわたってポジションを保有することで、日足や週足レベルで形成される大きなトレンドの波に乗り、一度に数十pipsから数百pipsという利益を獲得するチャンスがあります。
例えば、デイトレードでは1日に20pipsの利益を5回繰り返して合計100pipsを目指すのに対し、スイングトレードでは1回の取引で100pipsの利益を獲得することを目指します。これにより、以下の利点が生まれます。
- 取引コストの削減: FX取引では、売買のたびにスプレッドというコストが発生します。取引回数が多くなればなるほど、このコストは利益を圧迫します。スイングトレードは取引回数が少ないため、スプレッドの総額を低く抑えることができ、コストパフォーマンスの高い取引が実現します。
- 精神的な余裕: 取引回数が少ないということは、エントリーや決済の判断を下す回数も少ないということです。一つ一つの取引にじっくりと時間をかけて分析し、計画的にエントリーできるため、焦りや衝動的な売買を減らすことができます。一度ポジションを持てば、目標とする価格帯や損切りラインに到達するまで待つのが基本なので、精神的な負担も比較的少なくなります。
短期売買では、わずかな値動きでも利益を確定させたいという誘惑や、少しの含み損で不安になって損切りしてしまう「プロスペクト理論」に陥りがちです。しかし、スイングトレードでは、「中期的なトレンドに乗る」という明確な目的があるため、日々の細かなノイズに惑わされにくく、どっしりと構えて大きな利益を目指すことが可能です。
② 頻繁にチャートを見る必要がない
スイングトレードは、チャートに張り付いている必要がないため、時間的な拘束が少ないという大きなメリットがあります。これは、日中に本業の仕事や家事、育児などで忙しい人々にとって、FX取引を続ける上で非常に重要な要素です。
スイングトレードで主に使用するのは、日足や4時間足といった長い時間軸のチャートです。これらのチャートは、数時間、あるいは1日に1回チェックするだけでも、相場の大きな流れを十分に把握できます。
- トレードのタイミング: エントリーや決済のタイミングを判断するのも、1日の終わりにチャートを確認するだけで十分な場合が多いです。例えば、「仕事から帰宅した後の夜の時間帯に、その日の日足の形が確定してから分析し、翌日の戦略を立てる」といったトレードサイクルを確立できます。
- 注文方法の活用: IFD注文(イフダン注文)やOCO注文(オーシーオー注文)といった予約注文をうまく活用すれば、チャートを見ていない間でも自動的に利益確定や損切りを行うことができます。例えば、「〇〇円まで上昇したら利益確定の売り注文を出し、同時に△△円まで下落したら損切りの売り注文を出す」という設定をしておけば、寝ている間や仕事中に相場が目標価格に達しても、機会を逃したり、想定以上の損失を被ったりするリスクを管理できます。
スキャルピングやデイトレードのように、数分おきにチャートを確認して瞬時の判断を迫られるスタイルとは対照的に、スイングトレードは自分のライフスタイルに合わせて無理なく取り組めるのが大きな強みです。FXを始めたいけれど、「常にパソコンの前にいなければいけない」というイメージから躊躇していた方にとって、スイングトレードは最適な選択肢となるでしょう。
③ スワップポイントによる利益も期待できる
スイングトレードはポジションを数日から数週間にわたって保有するため、スワップポイントによる利益を狙えるというメリットもあります。
スワップポイントとは、2国間の金利差によって生じる利益または損失のことです。FXでは、金利の低い通貨を売って金利の高い通貨を買うと、その金利差調整分を毎日受け取ることができます。逆に、金利の高い通貨を売って金利の低い通貨を買うと、金利差を支払う(マイナススワップ)ことになります。
例えば、高金利通貨として知られるメキシコペソやトルコリラなどを、低金利通貨である日本円で買う(例:メキシコペソ/円の買いポジション)と、ポジションを保有している間、毎日スワップポイントが加算されていきます。
スイングトレードでは、このスワップポイントが重要な収入源の一つになり得ます。
- 為替差益+スワップ益: トレンドに乗って為替レートが上昇し、為替差益(キャピタルゲイン)を得られるだけでなく、ポジションを保有している日数分のスワップポイント(インカムゲイン)も受け取れるため、二重の利益を期待できます。
- 含み損の相殺: 仮に為替レートが少し下落して含み損を抱えたとしても、受け取ったスワップポイントがその損失を一部相殺してくれるクッションのような役割を果たすこともあります。
ただし、注意点として、スワップポイントは常にプラスになるとは限りません。前述の通り、売買の方向によっては支払いが発生します。また、各国の金融政策によって金利は変動するため、これまでプラスだったスワップポイントがマイナスに転じる可能性もあります。
それでも、為替差益だけでなく、スワップポイントというもう一つの収益源を意識した戦略を立てられることは、中長期的にポジションを保有するスイングトレードならではの大きなメリットと言えるでしょう。
FXスイングトレードの3つのデメリット
多くのメリットがあるスイングトレードですが、当然ながらデメリットやリスクも存在します。事前にこれらの点をしっかりと理解し、対策を講じることが、安定した取引を続ける上で不可欠です。
① ポジション保有中の価格変動リスクがある
スイングトレードはポジションを数日から数週間にわたって保有するため、その期間中に予期せぬ大きな価格変動に巻き込まれるリスクが常に伴います。これはスイングトレードの最も注意すべきデメリットです。
ポジションを保有している間に、以下のような事象が発生する可能性があります。
- 重要な経済指標の発表: 米国の雇用統計や消費者物価指数(CPI)、各国の政策金利発表など、市場の予想と大きく異なる結果が出た場合、為替レートは一瞬で数十pips、場合によっては100pips以上も乱高下することがあります。
- 要人発言: 各国の中央銀行総裁や政府高官による予期せぬ発言(いわゆる「サプライズ発言」)によって、相場のトレンドが急に転換することがあります。
- 地政学的リスク: 紛争やテロ、大規模な自然災害など、予測が困難な出来事が発生すると、投資家のリスク回避姿勢が強まり、安全資産とされる通貨(円やスイスフランなど)へ資金が急激に流れ込み、相場が大きく動くことがあります。
デイトレードであれば、その日のうちにポジションを決済するため、寝ている間にこうしたニュースが発生しても直接的な影響は受けません。しかし、スイングトレードでは、ポジションを保有したまま夜を越し、週末をまたぐため、これらのリスクに常に晒されることになります。特に、市場が閉まっている土日に大きなニュースが出ると、月曜日の朝に市場が開いた瞬間、価格が大きく乖離してスタートする「窓開け(ギャップ)」が発生し、想定外の大きな損失を被る可能性があります。
このリスクを管理するためには、損切り注文(ストップロス)を必ず設定しておくことが極めて重要です。
② ある程度のまとまった資金が必要になる
スイングトレードは、比較的まとまった取引資金を用意する必要がある点もデメリットとして挙げられます。これは、前述の価格変動リスクに対応するために、損切りラインを広く設定する必要があるためです。
短期売買のスキャルピングやデイトレードでは、損切り幅を数pips〜20pips程度と狭く設定することが多いですが、スイングトレードでは日々の細かな値動きに惑わされないように、損切り幅を50pips〜100pips以上と広く取るのが一般的です。
もし資金が少ない状態で、デイトレードと同じような感覚で大きなロット数のポジションを持ってしまうとどうなるでしょうか。少しの逆行でも証拠金維持率が急激に低下し、FX会社が設定する強制ロスカットの基準に達してしまい、ポジションが強制的に決済されてしまいます。これでは、本来狙っていた中期的なトレンドに乗る前に、市場から退場させられてしまいます。
そのため、スイングトレードでは、一時的な価格の逆行に耐え、ロスカットを避けられるだけの十分な余剰資金(証拠金)が必要になります。具体的には、レバレッジを低く抑えて取引することが推奨されます。多くのスイングトレーダーは、実効レバレッジ(ポジション評価額 ÷ 有効証拠金)を3倍〜5倍程度、あるいはそれ以下に設定しています。
少額からFXを始めること自体は可能ですが、スイングトレードで安定した成果を目指すのであれば、スキャルピングやデイトレードに比べて、ある程度の余裕を持った資金計画を立てることが重要です。
③ マイナススワップによる損失の可能性がある
メリットとして「スワップポイントによる利益」を挙げましたが、これは裏を返せば「マイナススワップによる損失」というデメリットにもなり得ます。
マイナススワップは、高金利通貨を売って低金利通貨を買うポジションを保有した場合に発生します。例えば、現在の金融情勢で考えると、日本円(低金利)を売って米ドル(高金利)を買う「米ドル/円の買い」ポジションであればプラスのスワップを受け取れますが、逆に米ドルを売って円を買う「米ドル/円の売り」ポジションを持つと、毎日マイナススワップを支払う必要があります。
このマイナススワップは、1日あたりでは少額に感じるかもしれません。しかし、スイングトレードはポジションを長期間保有するため、この支払いが積み重なると、無視できないコストになります。
例えば、ある通貨ペアの売りポジションで1日あたり-50円のマイナススワップが発生するとします。このポジションを20日間保有した場合、スワップだけで-1,000円(-50円 × 20日)のコストがかかります。もし為替レートが動かず、利益も損失も出ていない状態でも、スワップだけで資金が目減りしていくことになります。
したがって、スイングトレードで売りポジションを検討する際には、為替差益がマイナススワップの累積コストを上回る見込みがあるかどうかを慎重に判断する必要があります。特に、金利差の大きい通貨ペアで長期の売り戦略を取る場合は、このマイナススワップが損益分岐点を押し上げる要因になることを十分に理解しておく必要があります。
スイングトレードの始め方【4ステップ】
ここまでスイングトレードの概要やメリット・デメリットを解説してきました。ここからは、実際にスイングトレードを始めるための具体的な手順を4つのステップに分けて分かりやすく説明します。
① FX会社を選び口座を開設する
FX取引を始めるには、まずFX会社の取引口座が必要です。スイングトレードを行う上で、FX会社を選ぶ際に特に注目したいポイントは以下の通りです。
- スワップポイント: 長期保有が前提となるため、スワップポイントの高さは重要です。特に高金利通貨ペアの取引を考えている場合は、各社のスワップポイントを比較検討しましょう。
- 取引ツールの機能性: 日足や週足チャートが見やすく、移動平均線やMACDといった主要なテクニカル指標を使いやすいかどうかが重要です。PC用の高機能ツールだけでなく、外出先でもチャートを確認できるスマートフォンアプリの使いやすさもチェックしておくと良いでしょう。
- 情報提供力: 各国の経済ニュースや市場分析レポートなど、ファンダメンタルズ分析に役立つ情報が豊富に提供されているFX会社は、中長期的な戦略を立てる上で心強い味方になります。
- スプレッドの狭さ: 取引回数は少ないものの、スプレッドは狭いに越したことはありません。特に主要通貨ペアのスプレッドは各社で競争が激しいため、比較しておきましょう。
- 最小取引単位: 多くのFX会社では1,000通貨単位での取引が可能ですが、中には1通貨単位から取引できる会社もあります。初心者のうちは、まずは少額から始められる1,000通貨以下の単位で取引できる会社を選ぶのがおすすめです。
これらのポイントを比較検討し、自分に合ったFX会社を決めたら、公式サイトから口座開設を申し込みます。オンラインで本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)をアップロードすれば、早ければ即日〜数日で口座開設が完了し、取引IDとパスワードが送られてきます。
② 取引のための資金を入金する
口座開設が完了したら、次はその口座に取引の元手となる資金(証拠金)を入金します。入金方法は、主に以下の2つがあります。
- クイック入金(ダイレクト入金): 提携している金融機関のインターネットバンキングを利用して、24時間リアルタイムで入金する方法です。振込手数料は無料で、即座に口座に反映されるため、最も一般的な入金方法です。
- 銀行振込: FX会社が指定する銀行口座に振り込む方法です。振込手数料は自己負担となり、口座への反映にも時間がかかる場合があります。
スイングトレードを始める際の資金量については、「いくらでなければならない」という決まりはありません。しかし、前述の通り、ある程度の価格変動に耐えられるよう、余裕を持った資金を用意することが望ましいです。初心者が練習を兼ねて始めるのであれば、まずは10万円程度からスタートし、取引に慣れてきたら徐々に資金を増やしていくのが現実的なプランです。
重要なのは、必ず「余剰資金」で始めることです。生活費や将来のために必要なお金を投資に回すのは絶対にやめましょう。万が一失っても生活に支障が出ない範囲の金額で始めることが、冷静な判断を保つための大原則です。
③ 取引する通貨ペアと数量を決める
資金を入金したら、いよいよ取引の準備です。次に、「どの通貨ペアを」「どれくらいの量で」取引するかを決めます。
- 通貨ペアの選定:
- 初心者におすすめなのは、米ドル/円(USD/JPY)です。世界で最も取引されている通貨の一つであり、情報量が多く、値動きも比較的安定しているため、トレンドを把握しやすいとされています。
- その他、ユーロ/米ドル(EUR/USD)や豪ドル/円(AUD/JPY)なども人気があります。まずは、自分が情報を得やすく、分析しやすいと感じる通貨ペアを1〜2種類に絞って取引を始めるのが良いでしょう。
- 数量(ロット数)の決定:
- FXの取引単位は「ロット(Lot)」で表されます。1ロットが何通貨を指すかはFX会社によって異なりますが、一般的には1ロット=10,000通貨であることが多いです。
- スイングトレードでは、実効レバレッジを3〜5倍程度に抑えるのがセオリーです。例えば、証拠金10万円で米ドル/円(1ドル=150円と仮定)を取引する場合を考えてみましょう。
- 0.1ロット(1,000通貨)のポジションを持つと、取引額は 150円 × 1,000通貨 = 150,000円。
- 実効レバレッジは 150,000円 ÷ 10万円 = 1.5倍 となります。
- このくらいの低いレバレッジであれば、多少の価格変動にも耐えることができます。最初のうちは、最小取引単位である0.1ロット(1,000通貨)から始めることを強く推奨します。
資金管理はFXで生き残るための最も重要なスキルです。いきなり大きな利益を狙わず、まずは小さなポジションでリスクを管理しながら経験を積むことを最優先に考えましょう。
④ 新規注文と決済注文を出す
通貨ペアと数量を決めたら、実際に注文を出します。FXの注文には、大きく分けて「新規注文(ポジションを持つための注文)」と「決済注文(ポジションを解消するための注文)」があります。
- 新規注文:
- 成行注文: 現在のレートで即座に売買する注文方法。
- 指値注文: 現在のレートよりも有利なレート(安く買う、高く売る)を指定して発注する方法。
- 逆指値(ストップ)注文: 現在のレートよりも不利なレート(高く買う、安く売る)を指定して発注する方法。トレンドフォロー戦略などで使われます。
- 決済注文:
- こちらも成行、指値、逆指値で注文できます。利益を確定させる注文を「利食い(テイクプロフィット)」、損失を確定させる注文を「損切り(ストップロス)」と呼びます。
スイングトレードでは、新規注文と同時に決済注文(利食いと損切り)も予約できる「IFD注文」や「OCO注文」を積極的に活用しましょう。
- IFD(イフダン)注文: 新規注文が約定(成立)したら、次にそのポジションの決済注文(利食い or 損切り)が自動的に有効になる注文方法。「もし(If)新規注文が成立したら(Done)、次にこの決済注文を出す」という流れです。
- OCO(オーシーオー)注文: 「One Cancels the Other」の略で、利食いの指値注文と損切りの逆指値注文を同時に出し、どちらか一方が約定したら、もう一方の注文は自動的にキャンセルされる注文方法。
例えば、「1ドル=150円で米ドル/円の買いポジションを持ちたい。利益確定は152円、損切りは149円に設定したい」という場合、IFD注文やOCO注文を使えば、この一連の取引を最初にすべて設定できます。これにより、感情に左右されることなく、計画通りのトレードを実行しやすくなり、チャートを見ていない間のリスク管理も万全になります。
FXスイングトレードのおすすめ手法5選
スイングトレードで利益を上げるためには、相場の方向性やエントリー・決済のタイミングを判断するための「手法」が必要です。ここでは、多くのトレーダーに利用されている代表的なテクニカル分析手法を5つ紹介します。これらを組み合わせることで、より精度の高い分析が可能になります。
① 移動平均線を使った順張り手法
移動平均線(Moving Average)は、一定期間の価格の平均値を結んだ線で、トレンドの方向性や強さを視覚的に把握するための最も基本的なテクニカル指標です。スイングトレードでは、この移動平均線を使った「順張り(トレンドフォロー)」が王道の手法となります。
- 手法の概要:
- 日足チャートに、期間の異なる2本または3本の移動平均線(例:短期線25日、中期線75日、長期線200日)を表示させます。
- ゴールデンクロス: 短期線が中期線や長期線を下から上に突き抜ける現象。強い上昇トレンドの始まりを示唆する買いサインとされます。
- デッドクロス: 短期線が中期線や長期線を上から下に突き抜ける現象。強い下降トレンドの始まりを示唆する売りサインとされます。
- パーフェクトオーダー: 移動平均線が上から「短期・中期・長期」の順にきれいに並んでいる状態。安定した上昇トレンドを示します。逆に下から「短期・中期・長期」の順に並んでいる場合は、安定した下降トレンドを示します。
- 具体的な取引例(買いの場合):
- エントリー: 日足でゴールデンクロスが発生し、パーフェクトオーダーが形成されたのを確認した後、価格が短期移動平均線付近まで一時的に下落した「押し目」で買いエントリーします。
- 決済: デッドクロスが発生したり、価格が中期線や長期線を明確に下回ったりした時点で利益確定の決済をします。損切りは、直近の安値の少し下に設定しておきます。
移動平均線はシンプルながら非常に強力なツールです。まずはこの手法をマスターすることが、スイングトレード成功への第一歩と言えるでしょう。
② レンジ相場での逆張り手法
相場は常にトレンドが発生しているわけではなく、約7割は一定の価格帯を行ったり来たりする「レンジ相場(ボックス相場)」だと言われています。このような相場では、高値圏で売り、安値圏で買う「逆張り」戦略が有効です。
- 手法の概要:
- 日足や4時間足チャートで、過去に何度も価格が反発している高値(上値抵抗線:レジスタンスライン)と安値(下値支持線:サポートライン)を見つけます。
- この2本のラインに挟まれた範囲がレンジ相場です。
- 具体的な取引例:
- エントリー:
- 価格がサポートラインに近づき、反発を確認したら買いエントリー。
- 価格がレジスタンスラインに近づき、反落を確認したら売りエントリー。
- 決済:
- 買いポジションは、レジスタンスラインの手前で利益確定。
- 売りポジションは、サポートラインの手前で利益確定。
- 損切り:
- 買いの場合は、サポートラインを明確に下に抜けたら損切り。
- 売りの場合は、レジスタンスラインを明確に上に抜けたら損切り。(レンジブレイクの可能性があるため)
- エントリー:
この手法の注意点は、いつかレンジは必ずブレイク(突破)されるということです。損切り注文を必ず設定し、「レンジを抜けたらトレンドが発生した」と判断して、順張り戦略に切り替える柔軟性も必要です。
③ ボリンジャーバンドを活用する
ボリンジャーバンドは、移動平均線とその上下に値動きの幅を示す線(標準偏差:σ)を加えたテクニカル指標です。価格の大部分(統計学的には約95.4%)がバンドの範囲内(±2σ)に収まるという性質を利用して、相場の勢いや反転の目安を判断します。
- 手法の概要:
- 順張り(バンドウォーク): 強いトレンドが発生すると、価格がバンドの+2σや-2σの線に沿って動き続ける「バンドウォーク」という現象が起こります。これはトレンド継続のサインであり、順張りのチャンスです。
- 逆張り: レンジ相場において、価格が+2σにタッチしたら売られすぎ(反落の可能性)、-2σにタッチしたら買われすぎ(反発の可能性)と判断し、逆張りの目安とします。
- 具体的な取引例(順張りの場合):
- エントリー: バンドの幅が狭まった状態(スクイーズ)から、急に拡大(エクスパンション)し、価格が+2σ(または-2σ)に沿ってバンドウォークを始めたら、トレンドの方向にエントリーします。
- 決済: バンドウォークが終わり、価格がバンドの内側に戻ってきたら決済を検討します。
ボリンジャーバンドは、トレンドの発生と終焉、相場の過熱感を同時に判断できる非常に便利な指標です。移動平均線と組み合わせて使うことで、より分析の精度を高めることができます。
④ MACDでトレンドの転換点を見極める
MACD(マックディー、移動平均収束拡散手法)は、トレンドの方向性、強さ、そして転換のサインを捉えるのに優れたオシレーター系のテクニカル指標です。「MACD」と「シグナル」という2本の線と、その差を表す「ヒストグラム」で構成されます。
- 手法の概要:
- ゴールデンクロス/デッドクロス: MACDがシグナル線を下から上に抜けたら買いサイン(ゴールデンクロス)、上から下に抜けたら売りサイン(デッドクロス)と判断します。移動平均線のクロスよりも早くシグナルが出やすい特徴があります。
- ダイバージェンス: 価格は高値を更新しているのに、MACDの高値は切り下がっている状態。上昇の勢いが弱まっていることを示し、下降トレンドへの転換を示唆する強力な売りサインとなります(逆の場合は買いサイン)。
- 具体的な取引例(売り転換を狙う場合):
- エントリー: 上昇トレンド中に、日足チャートで価格は高値を更新しているが、MACDの高値は更新できずに切り下がる「ダイバージェンス」が発生したのを確認。その後、MACDがデッドクロスしたタイミングで売りエントリー。
- 決済: MACDが再びゴールデンクロスするか、十分な利益が出た時点で決済します。
MACDはトレンドの転換点を捉えるのに非常に有効ですが、レンジ相場ではダマシ(偽のサイン)が多くなる傾向があります。トレンド系の指標(移動平均線など)と組み合わせて、トレンドが発生している相場で使うことが重要です。
⑤ RSIで相場の過熱感(買われすぎ・売られすぎ)を判断する
RSI(相対力指数)は、現在の相場が「買われすぎ」なのか「売られすぎ」なのか、相場の過熱感を示すオシレーター系の指標です。0%〜100%の間で推移し、一般的に以下の水準が目安とされます。
- 70%以上: 買われすぎ。価格が下落に転じる可能性を示唆。
- 30%以下: 売られすぎ。価格が上昇に転じる可能性を示唆。
- 手法の概要:
- 逆張り: レンジ相場において、RSIが70%を超えたら売りを検討し、30%を割り込んだら買いを検討する逆張り戦略が基本です。
- ダイバージェンス: MACDと同様に、RSIでもダイバージェンスはトレンド転換の強力なサインとして機能します。
- 具体的な取引例(逆張りの買い):
- エントリー: 価格が下落し、サポートライン付近に到達。同時にRSIが30%を割り込み、「売られすぎ」を示唆したのを確認して買いエントリー。
- 決済: RSIが50%ラインを上抜けたり、70%に近づいたりした時点で利益確定を検討します。
RSIは相場の過熱感を測るのに便利ですが、強いトレンドが発生している相場では、70%以上に張り付いたまま上昇を続けたり、30%以下に張り付いたまま下落を続けたりすることがあるため注意が必要です。あくまでレンジ相場での逆張りや、トレンド相場での押し目買い・戻り売りのタイミングを計る補助的な指標として活用するのがおすすめです。
スイングトレードを成功させるための4つのコツ
優れた手法を知っているだけでは、スイングトレードで継続的に利益を上げることはできません。ここでは、手法を使いこなす上で重要となる、成功の確率を高めるための4つのコツを紹介します。
① 損切りラインを必ず決めておく
これはスイングトレードに限らず、すべてのFX取引における鉄則ですが、特にポジションを長期間保有するスイングトレードではその重要性が格段に高まります。損切りラインを事前に決め、それを徹底して守ることが、市場で生き残り続けるための生命線です。
- なぜ損切りが重要なのか: 人間は利益が出ているポジションはすぐに決済したくなる(チキン利食い)一方で、損失が出ているポジションは「いつか戻るだろう」と期待して保有し続けてしまう(塩漬け)傾向があります。この心理的な罠にはまると、一度の大きな損失でそれまでの利益をすべて吹き飛ばし、最悪の場合は資金をすべて失ってしまいます。損切りは、損失を許容範囲内に限定し、次のチャンスに備えるための必要不可欠なリスク管理手法なのです。
- 損切りラインの設定方法:
- テクニカルポイントで決める: 「直近の安値を下回ったら」「サポートラインを抜けたら」「移動平均線を明確に割り込んだら」など、チャート上の明確な根拠に基づいて設定します。
- 資金量で決める: 「証拠金の2%までの損失に抑える」といった、自分の資金に対する許容損失額から逆算して設定します。
- 注文の徹底: 損切りラインを決めたら、感情に左右されないように、エントリーと同時に必ず逆指値(ストップロス)注文を入れておきましょう。「相場が急変して損切りラインに到達しても、自動的に決済される」という状態を作っておくことが、精神的な安定にも繋がります。
「損切りを制する者はFXを制す」と言われるほど、このルールは重要です。小さな損失を受け入れる勇気が、結果的に大きな成功へと繋がります。
② テクニカル分析とファンダメンタルズ分析を組み合わせる
スイングトレードは、数日から数週間にわたる中期的な相場の流れを読む取引です。この期間の相場は、チャートの形だけで決まるテクニカル的な要因と、各国の経済情勢や金融政策といったファンダメンタルズ的な要因の両方から影響を受けます。
したがって、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析を組み合わせることで、より精度の高い相場予測が可能になります。
- 役割分担のイメージ:
- ファンダメンタルズ分析(森を見る): 各国の政策金利の方向性、経済成長の見通し、インフレ動向などを分析し、「今後、米ドルは円に対して長期的(中期的)に強くなりそうか、弱くなりそうか」といった相場の大きな方向性(トレンド)を把握します。
- テクニカル分析(木を見る): ファンダメンタルズで判断した大きな流れを前提に、移動平均線やMACDなどを用いて、「具体的にどのタイミングでエントリーし、どこで決済するのが有利か」という売買のタイミングを計ります。
例えば、ファンダメンタルズ分析から「アメリカの利上げが続くと予想されるため、米ドル/円は上昇トレンドが続きそうだ」という大局観を持っていたとします。その上で、日足チャートのテクニカル分析を行い、移動平均線がゴールデンクロスし、価格が一時的に下がった「押し目」のタイミングで買いエントリーする、といった戦略が立てられます。
このように両者を組み合わせることで、「なぜその方向にポジションを持つのか」という根拠がより強固になり、自信を持って取引に臨むことができます。
③ 自分に合った通貨ペアを選ぶ
FXには数多くの通貨ペアが存在しますが、それぞれに値動きの特性(ボラティリティ)、スプレッドの広さ、スワップポイント、関連情報の多さなどが異なります。スイングトレードで安定した成果を出すためには、これらの特徴を理解し、自分の取引スタイルや分析手法に合った通貨ペアを選ぶことが重要です。
- 初心者の場合: まずは、米ドル/円(USD/JPY)のように流動性が高く、情報も得やすいメジャー通貨ペアから始めるのがおすすめです。値動きが比較的穏やかで、トレンドも発生しやすいため、分析の練習に適しています。
- トレンドフォロー派の場合: 米ドル/円やユーロ/米ドル(EUR/USD)、ポンド/円(GBP/JPY)など、一度トレンドが発生すると一方向に動きやすい性質を持つ通貨ペアが向いています。
- スワップポイント狙いの場合: メキシコペソ/円(MXN/JPY)や南アフリカランド/円(ZAR/JPY)といった高金利通貨ペアが選択肢になります。ただし、これらの通貨は価格変動リスクも高いため、十分な注意が必要です。
- 分析のしやすさ: 自分がファンダメンタルズ情報を追いやすい国(例えば、経済ニュースで頻繁に報道されるアメリカやヨーロッパなど)の通貨ペアを選ぶのも良い方法です。
最初は1〜2種類の通貨ペアに絞り、その値動きの癖や特徴を徹底的に研究しましょう。特定の通貨ペアの「専門家」になることで、他のトレーダーには見えない細かなサインを読み取れるようになり、取引の優位性が高まります。
④ 少額から取引を始める
特にFX初心者の場合、いきなり大きな利益を狙ってハイリスクな取引をするのではなく、まずは少額・低レバレッジで取引を始めることが、長期的に成功するための重要なコツです。
- 目的は「経験を積むこと」: 最初のうちは、利益を出すことよりも、「手法を試す」「ツールの使い方に慣れる」「実際の相場の値動きを体感する」「資金管理の感覚を養う」といった経験を積むことを最優先に考えましょう。
- 精神的な安定: 少額取引であれば、万が一損失が出ても精神的なダメージは小さく済みます。冷静な判断力を保ちながら、一つ一つの取引を振り返り、改善点を見つけることができます。大きな金額で取引していると、含み損益の変動に心が揺さぶられ、計画通りのトレードができなくなりがちです。
- デモトレードの活用: 多くのFX会社が、自己資金を使わずに仮想の資金でリアルトレードと同じ環境を体験できる「デモトレード」を提供しています。まずはデモトレードで手法の検証や練習を十分に行い、自信がついてから少額でのリアルトレードに移行する、というステップを踏むのが最も安全で効果的です。
焦る必要は全くありません。FXはギャンブルではなく、技術と知識を積み重ねていくビジネスです。着実にスキルを身につけるためにも、まずは失っても痛くない金額からスタートし、自分のペースで成長していくことを目指しましょう。
スイングトレードの主な注意点
スイングトレードを実践する上で、特に気をつけるべき点がいくつかあります。これらの注意点を軽視すると、大きな損失に繋がる可能性があるため、常に意識しておくようにしましょう。
レバレッジを低く設定する
スイングトレードで最も重要な注意点の一つが、レバレッジを低く抑えることです。FXの魅力の一つであるレバレッジですが、使い方を誤ると諸刃の剣となります。
国内のFX会社では最大25倍のレバレッジをかけることができますが、スイングトレードで最大レバレッジに近い状態で取引するのは非常に危険です。なぜなら、ポジションの保有期間が長いため、短期的な価格の逆行に耐える必要があるからです。高いレバレッジをかけていると、わずかな価格変動でも証拠金維持率が急激に悪化し、強制ロスカットのリスクが高まります。
一般的に、スイングトレードにおける実効レバレッジ(実際にポジションにかかっているレバレッジ)の目安は、3倍〜5倍、慎重なトレーダーであれば1倍〜3倍程度です。低いレバレッジで取引することで、証拠金に十分な余裕が生まれ、損切りラインに達する前の不必要なロスカットを防ぐことができます。
自分の資金量に対して、常に「どれくらいのレバレッジがかかっているのか」を把握し、リスクを取りすぎていないかを確認する習慣をつけましょう。
重要な経済指標の発表スケジュールを確認する
ポジションを数日間保有するスイングトレードでは、その期間中に発表が予定されている重要な経済指標を事前に把握しておくことが不可欠です。
特に、以下のような指標は為替相場に大きな影響を与える可能性があります。
- 米国の経済指標: 雇用統計、消費者物価指数(CPI)、小売売上高、FOMC(連邦公開市場委員会)の政策金利発表など。
- 各国の政策金利発表: 日本銀行、ECB(欧州中央銀行)、BOE(イングランド銀行)など、取引している通貨ペアに関連する国の中央銀行の動向。
これらの指標の発表前後には、相場が大きく乱高下(ボラティリティが高まる)することがよくあります。トレーダーによっては、こうしたリスクを避けるために、重要な指標発表の前にはポジションを一旦決済し、発表を通過してから再度エントリーするという戦略を取ることもあります。
少なくとも、自分がポジションを保有している通貨ペアに関連する国の経済指標カレンダーには必ず目を通し、「いつ、どんな発表があるのか」を把握しておくことで、予期せぬ相場変動に対する心構えができます。
週末のポジション持ち越しリスクに備える
FX市場は基本的に土日が休みとなりますが、その間も世界では様々なニュースが起こります。週末に政治・経済に関する大きな出来事や、地政学的なリスクが高まるニュースが出た場合、週明け月曜日の市場オープン時に価格が大きく飛んで始まる「窓開け(ギャップ)」が発生するリスクがあります。
例えば、金曜日の終値が1ドル=150円だったのに、週末に何か大きなニュースがあり、月曜日の始値が1ドル=148円から始まる、といったケースです。
もし150円で買いポジションを持っていて、損切りラインを149円に設定していたとしても、始値が148円であれば、149円では決済されずに148円に近いレートで決済されてしまい、想定以上の損失が発生します(これをスリッページと言います)。
この「週末リスク」を管理するためには、以下のような対策が考えられます。
- 金曜日の市場が閉まる前にポジションを決済する: 最も安全な方法です。週末に不安を抱えたまま過ごす必要がなくなります。
- ポジションの量を減らす: 週末を持ち越すポジションのロット数を通常よりも少なくすることで、万が一ギャップが発生した際の損失額を抑えます。
- 損切りラインを再確認する: 損切り注文は入れておくべきですが、上記のリスクがあることは認識しておく必要があります。
自分のリスク許容度に合わせて、週末のポジション管理方針をあらかじめ決めておくことが、スイングトレードを長く続けるための秘訣です。
スイングトレードに向いている人の特徴
どのような人がスイングトレードで成功しやすいのでしょうか。ここでは、スイングトレードに適性がある人の特徴を具体的に挙げていきます。もし自分に当てはまる項目が多ければ、スイングトレードはあなたにとって最適な取引スタイルかもしれません。
日中は仕事や家事で忙しい人
スイングトレードは、日中に本業の仕事や学業、家事・育児などで忙しく、頻繁にチャートを確認する時間がない人に最も適したスタイルです。
前述の通り、スイングトレードの分析は主に日足チャートで行うため、1日の終わりに1回チャートをチェックするだけでも十分に取引が可能です。仕事から帰宅した後や就寝前の時間を使って、その日の値動きを分析し、翌日以降の戦略を立て、必要であれば予約注文を入れておくだけで完結します。
「FXをやりたいけれど、チャートに張り付くのは無理」と考えている会社員や主婦の方にとって、自分の生活リズムを崩さずに取り組めるスイングトレードは、まさに理想的な選択肢と言えるでしょう。
中長期的な視点で相場を分析できる人
スイングトレードは、数分後、数時間後の値動きを予測するのではなく、数日後、数週間後の大きな流れを読む取引です。そのため、目先の細かな価格変動に一喜一憂せず、どっしりと構えて相場全体を俯瞰できる、中長期的な視点を持った人に向いています。
日々の小さな含み損や含み益に心を乱されることなく、「ファンダメンタルズの大きな流れはこうだから、このトレンドはまだ続くだろう」と、自分の分析と戦略を信じてポジションを保有し続ける忍耐力が求められます。
物事を大局的に捉えるのが得意な人や、短期的な結果よりも長期的な成果を重視するタイプの人は、スイングトレードの考え方にスムーズに順応できるでしょう。
落ち着いて取引したい人
スキャルピングのように、一瞬の判断力が勝敗を分けるような、スリリングで緊張感の高い取引が苦手な人にもスイングトレードはおすすめです。
取引回数が少ないため、一つ一つのエントリーに対して、じっくりと時間をかけて分析し、納得のいくまで戦略を練ることができます。 衝動的にポジションを持って後悔する「ポジポジ病」に陥るリスクも低く、常に計画に基づいた冷静なトレードを心がけたい人にとっては、非常に快適な環境です。
感情の起伏が少なく、物事を論理的に考え、計画通りに行動するのが好きな人は、スイングトレードでその能力を最大限に発揮できる可能性が高いです。
これからFXを始める初心者
意外に思われるかもしれませんが、スイングトレードはFX初心者にも非常におすすめのスタイルです。その理由は以下の通りです。
- 学習時間が確保できる: 取引回数が少ない分、FXの基本的な知識やテクニカル分析、ファンダメンタルズ分析の勉強に時間を充てることができます。
- 丁寧な分析が身につく: 1回のトレードの重要性が高いため、エントリーする前に「なぜここで買うのか」「損切りはどこに置くべきか」などをじっくり考える習慣が自然と身につきます。これは将来、他のトレードスタイルに挑戦する際にも役立つ fundamental なスキルです。
- 精神的な負担が少ない: 頻繁な売買によるストレスが少なく、落ち着いて相場と向き合えるため、FXの楽しさや奥深さを感じやすいと言えます。
最初にスキャルピングのような超短期売買に挑戦して、そのスピード感や難しさから挫折してしまう初心者は少なくありません。まずはスイングトレードでFXの基本をしっかりと学び、成功体験を積むことが、長くトレーダーとして活動していくための良いスタートとなります。
スイングトレードに向いていない人の特徴
一方で、性格や求めるものによっては、スイングトレードが合わないと感じる人もいます。以下のような特徴に当てはまる場合は、デイトレードやスキャルピングといった、より短期の取引スタイルを検討した方が良いかもしれません。
すぐに取引の結果が欲しい人
スイングトレードは、ポジションを持ってから決済するまでに数日から数週間かかるのが普通です。そのため、エントリーしたらすぐに結果が分からないと気が済まない、せっかちな性格の人には向いていません。
「今日の取引でいくら儲かったか」という日々の損益をすぐに確認したい人や、ゲーム感覚で次々とポジションを持って利益を積み重ねていくことに快感を覚えるタイプの人は、スイングトレードのゆったりとした時間の流れを退屈に感じてしまうでしょう。このような方は、取引の回転が速く、その日のうちに結果が出るデイトレードやスキャルピングの方が、モチベーションを維持しやすいかもしれません。
小さな価格の動きが気になってしまう人
ポジションを保有している間、価格は一直線に目標に向かうわけではなく、上下動を繰り返しながら進んでいきます。スイングトレードでは、この一時的な逆行(含み損の発生)も想定内として、動じずにいる必要があります。
しかし、含み損益の数字が少しでも変動するたびに気になってしまい、何度もチャートや口座状況を確認してしまう人は、スイングトレードで大きな精神的ストレスを抱えることになります。
小さな値動きに心が揺さぶられ、当初の計画を破って早すぎる利食いや損切りを繰り返してしまうような人は、そもそもポジションを長期間保有すること自体が苦痛になる可能性があります。このような繊細な感覚を持つ人は、むしろその感覚を活かせるスキャルピングのような短期売買の方が適しているかもしれません。
スイングトレードにおすすめの通貨ペア
スイングトレードを始めるにあたり、どの通貨ペアを選ぶかは非常に重要です。ここでは、スイングトレードに適した代表的な通貨ペアを3つ紹介し、その特徴を解説します。
米ドル/円(USD/JPY)
米ドル/円は、FX初心者から上級者まで、すべてのトレーダーにおすすめできる最もスタンダードな通貨ペアです。
- 特徴:
- 情報量の多さ: 米ドルは世界の基軸通貨、円は主要通貨の一つであるため、関連する経済ニュースや分析レポートが日本語で豊富に入手できます。ファンダメンタルズ分析がしやすい点は大きなメリットです。
- 流動性の高さ: 世界で2番目に取引量が多く、流動性が非常に高いため、スプレッドが狭く、安定した取引が可能です。
- トレンドの発生しやすさ: 日米の金融政策の違いが明確に反映されやすく、一度方向性が出ると比較的長く続く、きれいなトレンドを形成しやすい特徴があります。このため、トレンドフォロー戦略が基本となるスイングトレードと非常に相性が良いです。
最初にどの通貨ペアで始めるか迷ったら、まずは米ドル/円から取り組むことを強く推奨します。
ユーロ/米ドル(EUR/USD)
ユーロ/米ドルは、世界で最も取引されている通貨ペアであり、「世界経済の縮図」とも言われます。
- 特徴:
- 圧倒的な流動性: 世界一の取引量を誇るため、スプレッドは極めて狭く、市場の急変時でも比較的安定した取引が期待できます。
- テクニカル分析の有効性: 取引参加者が非常に多いため、市場心理がチャートに素直に反映されやすく、移動平均線やサポート・レジスタンスラインといった基本的なテクニカル分析が機能しやすいと言われています。
- トレンドの素直さ: 米ドル/円と同様に、大きなトレンドを形成しやすい特徴があります。ただし、欧州と米国の両方の経済情勢を追う必要があるため、米ドル/円よりは情報収集の難易度が少し上がります。
テクニカル分析を重視するトレーダーにとって、ユーロ/米ドルは非常に魅力的な通貨ペアです。
豪ドル/円(AUD/JPY)
豪ドル/円は、高金利通貨と円の組み合わせとして、スワップポイントを狙ったスイングトレードで人気の高い通貨ペアです。
- 特徴:
- 高いスワップポイント: オーストラリアは日本に比べて政策金利が高い傾向にあるため、豪ドル/円の買いポジションを保有すると、魅力的なスワップポイントを毎日受け取れる可能性があります(金利情勢によります)。
- 資源国通貨としての特性: オーストラリアは鉄鉱石や石炭などの資源が豊富な国であるため、豪ドルの価格はこれらの資源価格や、最大の貿易相手国である中国の経済動向に大きく影響される特徴があります。
- ボラティリティの高さ: 米ドル/円やユーロ/米ドルに比べて値動きが大きい(ボラティリティが高い)傾向があるため、大きな為替差益を狙える可能性がある一方で、リスク管理にはより一層の注意が必要です。
為替差益に加えてスワップ収益も狙いたい、という少し欲張りな戦略を考えているトレーダーにとって、豪ドル/円は面白い選択肢となるでしょう。ただし、その特性を十分に理解した上で取引することが重要です。
スイングトレードにおすすめのFX会社3選
スイングトレードを快適に行うためには、FX会社選びが非常に重要です。ここでは、スワップポイント、取引ツール、情報量などの観点から、スイングトレードにおすすめのFX会社を3社厳選して紹介します。
(注)下記の情報は記事執筆時点のものです。スプレッドやスワップポイントは日々変動するため、最新の情報は必ず各社の公式サイトでご確認ください。
FX会社名 | スワップポイント(買い)の強み | 取引ツールの特徴 | 最小取引単位 |
---|---|---|---|
GMOクリック証券 | 全体的に高水準。特に高金利通貨に強い。 | 高機能なPCツール「はっちゅう君FX+」、スマホアプリ「GMOクリック FXneo」が人気。 | 1,000通貨 |
DMM FX | 全体的に高水準で、安定していると評判。 | シンプルで直感的に使えるツール。「取引応援ポイント」サービスも魅力。 | 10,000通貨 |
外為どっとコム | 高水準のスワップを提供。スワップカレンダーが見やすい。 | 豊富な情報コンテンツ(レポート、セミナー)が強み。分析ツール「ぴたんこテクニカル」も便利。 | 1,000通貨 |
① GMOクリック証券
GMOクリック証券は、FX取引高世界第1位(※)を長年にわたり記録している、業界最大手のFX会社です。その信頼性とサービスの質の高さから、多くのトレーダーに支持されています。
- スイングトレードにおける強み:
- 高水準のスワップポイント: 全体的にスワップポイントが高水準で、特にメキシコペソ/円などの高金利通貨ペアのスワップは業界でもトップクラスを誇ります。スワップ狙いの長期保有に適しています。
- 高機能な取引ツール: PC用のインストール型ツール「はっちゅう君FX+」は、カスタマイズ性が高く、高度なテクニカル分析を行いたいトレーダーに人気です。また、スマートフォンアプリ「GMOクリック FXneo」も非常に評価が高く、外出先でもストレスなくチャート分析や発注ができます。
- 充実したマーケット情報: 経済ニュースやアナリストレポートなど、取引の参考になる情報が豊富に提供されており、ファンダメンタルズ分析にも役立ちます。
総合力が高く、初心者から上級者まで満足できるサービスを提供しているため、どの会社にするか迷ったらまず検討したい一社です。
(※)Finance Magnates 2012年1月~2023年12月までのFX取引高(売買代金/ドル換算)にて世界第1位。参照:GMOクリック証券公式サイト
② DMM FX
DMM FXは、初心者向けの分かりやすさと充実したサポート体制で人気の高いFX会社です。各種手数料が無料で、コストを抑えて取引を始めたい方にもおすすめです。
- スイングトレードにおける強み:
- シンプルで使いやすい取引ツール: PC版、スマホ版ともに、直感的で分かりやすいインターフェースが特徴です。複雑な機能は多くありませんが、スイングトレードに必要な基本的な分析や注文はスムーズに行えます。初めてFXの取引ツールに触れる方でも、迷うことなく操作できるでしょう。
- 安定したスワップポイント: スワップポイントも業界内で競争力のある水準を提供しており、安定していると評判です。
- 取引応援ポイントサービス: 取引量に応じてポイントが貯まり、現金に交換できる独自のサービスがあります。取引回数が少ないスイングトレードでも、ロット数が大きくなれば恩恵を受けられます。
ただし、最小取引単位が10,000通貨からとなっている点には注意が必要です。ある程度まとまった資金で始めたいと考えている、シンプルさ重視のトレーダーに向いています。参照:DMM FX公式サイト
③ 外為どっとコム
外為どっとコムは、1,000通貨単位からの少額取引に対応し、特に情報コンテンツの豊富さに定評がある老舗のFX会社です。
- スイングトレードにおける強み:
- 圧倒的な情報量: 各国の経済指標や要人発言に関する速報ニュース、著名なアナリストによる市場レポートや動画セミナーなどが非常に充実しています。ファンダメンタルズ分析を重視するスイングトレーダーにとっては、非常に心強い存在です。
- 便利な分析ツール「ぴたんこテクニカル」: チャートの形状から将来の値動きを予測する「みらい予測チャート」や、複数のテクニカル分析結果を統合して売買シグナルを表示する「お天気シグナル」など、初心者でもテクニカル分析の参考にしやすいユニークなツールを提供しています。
- 少額取引に対応: 最小取引単位が1,000通貨なので、少ない資金からスイングトレードを始めたい初心者にも安心です。
しっかり学びながら取引したい、情報収集を重視したいという学習意欲の高いトレーダーに特におすすめの会社です。参照:外為どっとコム公式サイト
FXスイングトレードに関するよくある質問
最後に、スイングトレードを始めるにあたって、多くの方が抱く疑問についてQ&A形式でお答えします。
スイングトレードに必要な資金はいくらですか?
一概に「いくら必要」と断言することはできませんが、初心者が始める際の目安としては10万円程度から考えられます。
重要なのは、低いレバレッジ(3倍以下)で取引を開始することです。例えば、1ドル=150円の時に米ドル/円を最小取引単位の1,000通貨で取引する場合、必要な証拠金は6,000円(150円 × 1,000通貨 ÷ レバレッジ25倍)です。しかし、これでは少しでも価格が逆行するとすぐにロスカットされてしまいます。
10万円の資金があれば、1,000通貨の取引(取引額15万円)でも実効レバレッジは1.5倍に抑えられ、十分な余力を持ちながら取引できます。もちろん、資金は多ければ多いほどリスク管理がしやすくなるため、可能であれば30万円〜50万円程度用意できると、より安心してスイングトレードに取り組めるでしょう。最も重要なのは、必ず余剰資金で始めることです。
初心者でもスイングトレードはできますか?
はい、スイングトレードはFX初心者にも非常におすすめのスタイルです。
その理由は、取引回数が少なく、一つの取引にじっくりと時間をかけられるためです。スキャルピングのように瞬時の判断を求められることがなく、仕事や家事の合間を使って、自分のペースで分析や勉強を進めることができます。
慌てて取引する必要がないため、「なぜこのポジションを持つのか」という根拠を一つ一つ確認しながら、FXの基本を着実に身につけることができます。 最初に学ぶべきトレードスタイルとして、スイングトレードは最適と言えるでしょう。
スイングトレードの勝率はどれくらいですか?
FX取引において、勝率(全取引のうち利益が出た取引の割合)だけにこだわるのはあまり意味がありません。 なぜなら、勝率が90%でも、1回の大きな負けで利益がすべて吹き飛んでしまう可能性があるからです。
スイングトレードでより重要になるのが「リスクリワードレシオ」という考え方です。これは、1回の取引における平均利益と平均損失の比率のことで、「損失1に対して、どれくらいの利益を見込むか」を示します。
例えば、リスクリワードレシオを「1:2」に設定した場合、損切りを50pipsに設定し、利益確定を100pipsに設定する、というトレードを繰り返します。この場合、勝率が50%(半分勝って半分負ける)でも、トータルでは利益が残ります。 10回取引して5勝5敗だった場合、利益は 100pips × 5回 = 500pips、損失は 50pips × 5回 = 250pips となり、差し引き250pipsのプラスになる計算です。
スイングトレードでは、このように損切り幅(リスク)を限定しつつ、利益を大きく伸ばす(リワード)ことを目指します。高い勝率を目指すのではなく、トータルで資産を増やすための「損小利大」のトレードを心がけることが成功の鍵です。